第2回教育振興会理事会を行いました。
2023年11月24日 16時30分地域づくりとは、我が家族のことを考え、近隣の家族のことを考え、良くするために支えあったり協力しあったりしていくこと。それが原点です。
結城登美雄
(宮城教育大学・東北大学大学院非常勤講師)
袋井南コミュニティセンターを会場にして、今年度2回目となる「南の丘学園袋井南小学校・袋井南中学校教育振興会理事会」を開催しました。教育振興会会長の豊田様、前会長の髙橋様、袋井市議会議員の皆様、自治会連合会長の皆様、自治会の代表者の皆様、小中PTAの皆様といった理事会の役員の皆様に参加していただき、振興会の予算の使途やその内容について検討していただきました。
教育振興会理事会の中では、小中の教育振興会会計の具体的な執行状況や各学校の経営状況について、各校教頭から説明を行いました。
熟議の中では、参与である議員の皆様から、OECDの調査によれば、我が国の公的教育支出・教育費の対GDP比率は国際比較において平均以下であり、大変低いことを踏まえて、給食費や高等教育等を含め、国や県、市からの教育予算の拡充が一層必要であるという御意見がありました。また、自治会費の支出においても、高齢者等においては負担が大きい家庭もあることの指摘もありました。
一方で、連合会長の皆様からは、今年度袋井南小学校が創立150周年、来年度は袋井南中学校が創立50周年という節目の時期であること、また、地域からの支援によって袋井南小・中学校の教育活動は特色ある教育活動を実現できていること、マーチングに代表されるような各部の大会参加費、個人登録費、楽器、運搬費など、部活動の活動などにかかるお金を保護者が受益者負担として全て負担できるものではないこと、袋井市としては可能な範囲で学校教育の充実のために努力しているが市の予算には限界があること、各学校で子供たちのために適切に活用されているのかをこれまでも理事会の中で確認してきている経緯、自治会費の負担軽減策も各地区で実施していること等、様々な御意見をいただきました。
今後の対応としては、教育振興会理事会としては来年度も継続していく方向であることと同時に、各連合自治会でも議論をした上で、教育振興会のあり方を検討していくことが確認されました。
なお、令和5年6月16日に閣議決定されました第4期教育振興基本計画の中でも、以下のような記述があります。
(2)教育投資の在り方
「 未来への投資 」 としての 教育投資の意義)
○教育は、個人の社会的自立の基礎を築き、ウェルビーイングを実現するものであると同時に、教育の成果は、単に個人に帰属するのみならず広く社会全体に還元され、社会の維持・発展の原動力となるものである。
○(中略)教育投資は個人及び社会の発展の礎となる 「 未来への投資 」であり、必要な教育投資については、学習者本人のみならず社会全体で確保することが必要である。
○その際、教育投資がもたらす効果には、経済的な効果のみならず、新たな価値の創造や未来への志向性 、共生社会の実現、地域コミュニティの形成といった 社会の持続・発展に不可欠でありつつも必ずしも数値化できない重要な効果もあることに留意が必要である。また、教育投資には、国や地方公共団体による公財政支出、家計による負担に加え、様々な形での寄附や、広い意味では、社会関係資本を基盤としたボランティアなどの人的貢献、企業の教育面におけるCSR 活動など民間団体等の自発的取組などが含まれることにも留意が必要である。
○特に、我が国は、諸外国と比較した場合、寄附が少ない現状にあり、教育機関においても寄附を行おうとする個人・企業・団体等の意欲を喚起するよう努めることなどにより、寄附文化を醸成する必要がある。また、今日においては、かつて地域コミュニティなど学校以外が担っていた教育的な機能が弱くなっており、その分、学校に求められる役割が大きくなりがちとの指摘もある。このような点も踏まえつつ、社会全体で教育を支える環境を醸成することにより、教育への投資の充実を図る必要がある。
■【出典:文部科学省HP,第4期教育振興基本計画】https://www.mext.go.jp/a_menu/keikaku/index.htm