ネット依存の問題について考えました
2022年11月10日 15時53分
とらわれない心を持った人の単純なふるまいとは、信頼にみちた確信をもって、公に知られた真理にたよること、そしてその固い基礎の上に自分の行為の仕方と生活上の確固たる態度をうちたてることである。
フリードリヒ・ヘーゲル
(ドイツの哲学者)
今日は、ネット依存防止講座が行われました。
ネット依存の問題だけでなく、子供から大人まで、私たちは様々なものに依存した生活を送っています。
さて、電車に乗ってみると、昔は本を読んでいる人が多かったのですが、今はスマートフォンを眺めている人が本当に多くなりました。
家庭での過ごし方を考えてみても、30年くらい前は家族みんながテレビを視聴する生活をしているイメージでしたが、今ではテレビからスマートフォンやPC、タブレットやゲームなど、様々なメディアに個別に向き合っている時間が増えた気がします。
映画を観る生活も、映画館やテレビ番組の映画の視聴から、VHSのビデオテープやDVDへ。そして現在はネットによる動画配信に変わってしまいました。家に居ながらにして昔の映画から最新の映画まで自由に視聴することができるようになりました。
音楽も、レコードからカセットテープ(今の多くの中学生はウォークマンを知らないのではないでしょうか)。MDやCDへ。今ではネット配信が主流に変わってしまいました。コロナ禍でライブやコンサートへ出かける機会も少なくなった人も多いのではないでしょうか。
人と人の情報伝達手段も、昔の手紙や固定電話、公衆電話といった手段から、スマートフォンやSNSが中心に変わってしまいました。新聞を購読する人も減ってきて、ネットでのニュース配信を頼りにしている人が増加しているそうです。
買い物も、直接店舗で買う生活から、インターネットによる購入が多くなったと感じます。少し矛盾するようですが、コンビニエンスストアはよく利用するようになりました。
このように考えると、現代社会のネット依存の問題は、実はかなり根が深い問題だということが分かります。インターネットを活用しない生活は、もうかなり難しくなってきていることが分かります。
問題なのは、「ネットやスマホの便利さと危険性を理解した上で、適切にコントロールできているかどうか」だということだと、今日のネット依存防止講座でよく分かりました。
話は少し変わりますが、今年度の3年生を対象にした全国学力・学習状況調査でも、「携帯電話・スマートフォンやコンピュータの使い方について,家の人と約束したことを守っていますか」という問いに対して、「きちんと守っている」と回答した生徒は、全国平均が32.2%であるのに対して静岡県は27.7%と低く、本校はさらに低く24.7%でした。
また、「スマホやPCなど普段(月曜日から金曜日)1日当たりどれくらいの時間,携帯電話やスマートフォンでSNSや動画視聴などをしますか(スマホやPCなどで学習やゲームをする時間は除く)」という問いについても、2時間以上使用している生徒が、国や県の平均よりも8%くらい多いという結果が出ています。
さらに、家庭学習についての問いでは、「家で自分で計画を立てて勉強をしていますか」という問いに対して、「よくしている」「ときどきしている」と回答した人を合わせても、国や県の平均よりも10%以上低いという結果でした。家庭学習の時間についても、国や県の平均よりも10%以上低いという結果でした。
つまり、本校の生徒は、
①家庭での生活で携帯電話やネットの使用時間が長い。
②家の人とのネットやスマホの使用上の約束が守られていない生徒が、国や県の平均よりかなり多い。
③家庭学習は学校や塾で決められたことはやっているけれど、自分で計画を立てて主体的に家庭学習をする生徒は少ない。
④家庭学習の時間は、国や県の平均よりかなり低い。
ということが分かりました。
今後の課題点としては、
①ネットやスマホ、PCやタブレット等の使用時間を減らすこと。
②ネットやスマホ、PCやタブレット等の使用上の約束を確認すること。
③家庭学習は、自分で必要だと思うことに、計画を立てて主体的に取り組むこと。
④家庭学習の時間を、今よりも増やすこと。
という4点ではないでしょうか。
保護者の皆様にはこの機会に、御家族でネット使用上の約束や家庭学習の取り組み方や時間について、お子さんと相談されることをおすすめします。